節税

不動産投資は節税になるのか

不労所得として不動産投資に興味がある方は多いのではないでしょうか。不動産売買の業者と話すと、「不動産は節税しながら資産形成できます」というような話をされることがありますが、これは果たして正しいのかを今日は解説したいと思います。
 
■結論
以下の条件が満たされれば、不動産投資による高い節税効果が見込まれる
・不動産投資以外の課税所得が1,000万円程度以上(サラリーマンなら年収1,300万円以上)
・物件建物の耐用年数が短い(木造が有利)
・売却する場合は最低でも購入後6年後以降
 
■不動産投資による節税の仕組みの概要
まず、不動産投資の主な方法は以下の通りかと思います。
①銀行から購入資金を借入れ、借入金を元手に物件を購入
②物件の賃貸収入を使って、借入金返済にあてる
 
上記で賃貸収入<借入金の月々の返済額になれば、毎月自分のお金を持ち出して払わないといけないので、今回は、「賃貸収入>返済額+諸経費」を前提にお金が増えながら、節税もできるパターンを説明します。
 
物件価格が5000万円(建物3,102万円、土地1,898万円)の場合で木造の場合と、鉄筋コンクリートの場合で比較して説明したいと思います。
 

家賃収入:300万円
諸経費(固定資産税含む):▲90万円
借入返済(元本):▲80万円
借入返済(利息):▲80万円
手元に残るお金:50万円
減価償却費:▲141万円(木造)、▲66万円(鉄筋)
不動産所得:▲91万円(木造)、▲16万円(鉄筋)

上記の例の場合、家賃収入から経費等を差し引いて、手元に残るお金は50万円です。本業+50万円あれば結構うれしいと思います。
では、税金計算上の不動産所得を見ると、物件が木造なら91万円の赤字、鉄筋なら16万円の赤字になっています。
従って、手元のお金は増えているのに、税金計算上は赤字になっています。そしてこの赤字は他の所得(サラリーマンなら給与所得)と相殺することができるため、給与所得で払っていた税金が安くなり、節税が出来るということになります。
なぜ、このようなことが起きるかというと、建物を購入した場合、購入した年に一括で費用にするのではなく、数十年かけて費用化する考え方(減価償却)があり、木造なら22年、鉄筋なら47年で費用化していきます。従って、木造の場合の1年間の減価償却費は3,102万円/22年=141万円となり、毎年141万円を経費に算入することが出来ます。
 
■なぜ本業の年収が高いほうが節税効果が高いのか
所得税は累進課税制度を採用しているため、年収が多いほど税率が高くなります。従い、税率が40%の人と10%の人とでは、同じ100万円の赤字でも、節税効果は40万円(40%)と10万円(10%)で大きく異なることとなります。

2022/5/23
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