節税

生命保険料控除の注意点(ミニ保険)

個人所得税の計算における所得控除の1つとして広く知られている生命保険料控除について、ミニ保険(少額短期保険)が対象とならない落とし穴がありますので解説します。
 
■生命保険料控除とは
居住者(日本国内に住んでいる方)が一定の生命保険料を支払った場合、支払った保険料のうち一定金額までを、年間の所得金額から控除できる規定です(所得税法76条)。つまり生命保険料を払った分だけ所得税が安くなる規定であり、生命保険が節税になると言われている所以は本規定によるものです。
 
■生命保険料控除の対象となる生命保険料
生命保険料控除の対象となる生命保険は一般的に以下の要件を満たすものになります。
 
①生命保険の受取人が支払者本人または親族であること(他人に対する掛金は控除対象外)
②保険業法第2条3項に規定する生命保険会社(又は2条8項の外国生命保険会社)との契約によるもの(その他、確定給付企業年金に係るもの等で認められるものがありますが、ここでは省略します)
 
■ミニ保険業者は「生命保険会社」ではない?
ここでミニ保険(少額短期保険)のみを扱う会社は、保険業法第2条3項に規定する生命保険会社ではなく、保険業法第2条18項に規定する少額短期保険会社(いわゆる第三の保険会社)であるケースがあります。この場合、少額短期保険会社と契約するミニ保険は、上記の生命保険料控除の要件の②を満たすことができず、所得税法上の生命保険料控除の対象外となってしまいます。
従い、このようなミニ保険は年末調整や確定申告の際に使用する生命保険料控除証明書が発行されないこととなります。
 
■まとめ
・生命保険料控除の対象となる生命保険には要件がある
・ミニ保険は生命保険料控除の要件を満たさない場合がある
 
いかがでしょうか?いざ契約後に保険料控除を受けられないことを知ると残念な気持ちになりかねないので、保険料控除を考慮して、保険契約を締結する場合は、事前に保険会社に該当の生命保険が所得税の生命保険料控除の対象となるか聞いてみるのが良いかと考えます。

2022/4/4
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