電子申告

平成30年度税制改正により、大法人(資本金1億円超の内国法人)について、確定申告等の書面提出が認められず、電子申告が義務化されました。
これに伴い、従来は書面での提出が多かった財務諸表等の添付書類についても電子送信が義務化され、義務化後初年度であった2021/3期申告で苦労された大法人もあるかと存じます。
 
現状は大法人のみに適用されている電子申告義務化ですが、将来、中小法人に適用される可能性もゼロではありません。また、義務化でなくても電子申告自体はメリットのある方法なので、中小法人についても電子申告対応されることをお勧めしたいと思います。
 
・資源の無駄遣いを削減(SDGs)
電子申告を行わない場合、書面提出となりますが、申告書・財務諸表・勘定科目内訳書・法人事業概況書・税務権限代理証書等を印刷し、税務署に郵送して提出することになります。
さらに提出控えを返送してもらう場合には、返送用封筒と申告書(控用)などを同封する必要があります。この場合、国税の申告だけで数十枚以上、会社によっては数百枚の紙を印刷することになります。これが毎年続くとかなりの紙面を使うことになります。また地方税にも書面で郵送を行っている場合には、同様の手続きを地方税でも行い、郵送費等もかかってしまうというデメリットがあります。
ここ数年でSDGs(SustainableDevelopment Goals(持続可能な開発目標))という言葉が注目されており、いかに環境負荷を低減するかというのは大法人に限らず、すべての企業様に課せられているミッションになっております。
この点、電子申告であれば、1枚も紙を使用せずに申告業務を完了することもでき、SDGsの観点からも推奨できるものとなります。
私個人の感想としては、一度慣れてしまえば、電子申告の方が書面郵送よりも圧倒的に楽です。
 
・申告後の確認の簡便さ
郵送により確定申告を行った場合、税務署に到着して受理されているかどうかなどは控え資料の返送等までの間、不明瞭になってしまいます。
一方で電子申告であれば、即時(数分以内)で、申告完了の連絡メールを受理でき、エラーがある際にはその旨がわかります。また、24時間いつでも申告が可能なので、夜まで申告書作成準備を行っていたとしても、そのまま当日の申告書提出が可能な点もメリットとなります。
 
・保管スペースが不要
書面提出後に控えを受理する場合、申告書控をファイリングなどして保管している会社様が多いと思います。この点、電子申告であれば、PDFファイルで申告書控(電子申告日時の記載されたもの)をダウンロードすることができるため、それをPCのフォルダ内に保存しておけば、事務所スペースも圧迫しないメリットがあります。
 
2020年に始まったコロナ禍により、リモートワークが推進されていく中で、紙面を事務所保管してしまうとどうしても出社しないといけないケースが出てしまい、不便を感じることもあると思います。世界全体のIT化・リモート化はコロナ禍を通じてより加速度的に進むことが想定されますので、電子申告・財務諸表等の電子送信を行っていない企業様は一度税理士に相談されてみるのをおすすめします。弊社においても電子申告開始サポートを行うことが可能ですので、お気軽にお問合せフォームよりお問い合わせください。

2022/3/21
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